うつ病患者の生活

うつ病と診断されて9年の42歳。休職や転職を繰り返して2015年はアルバイトとして社会復帰。そんな人はこんな生活をしてるよって日記です。認知行動療法、対人関係療法、週間活動・気分記録表、メンタル・フィジカルチェック、障害年金など取り組んでいることを記録しています。

うつ病経験者が就職活動するとぶつかること

9月下旬から書類応募を始めました。今日の時点で8社応募して面接に呼ばれたのが3社、採用内定をもらったのが1社です(すべてアルバイトですが)。内定をいただいたところは辞退して、引き続き就職活動をしています。今回はうつ病経験者が就職活動をしてみて感じたことを書いてみたいと思います。

うつのことを伝えるべきか

私は病気のことをオープンにして就職活動に望んでいます。理由はブランクが長いから。数ヶ月から半年ぐらいのブランクなら誤魔化しも効きますが私は2年も空いています。そして言い繕うには2年は長すぎると判断したからです。クローズ(うつのことを伝えない)という選択肢はとれなくはないですが、年齢もあります。今年で40歳になります。クローズで目指したとしても難易度はたいして変わらないと思います。それなら病気のことをちゃんと伝えた上で理解してくれる人のもとで働きたい、そう考えています。

雇用者はうつ病のなにを恐れているのか

今のところ面接の際、うつの話をすると意外に嫌な反応はありません。うつに慣れているというか知識が広まっているのか「ウチにも以前いたよ」とか「知り合いにもいる」とか「親戚にいる」とか、うつが身近なものになっているのだなと感じます。一方で話が深まっていくと核心部分にせまってきます。「ある日パッタリ来なくなる」、「連絡が取れなくなる」。それが一番困るのだと。「大丈夫だと思う」と簡潔に答えるわけですがその言葉をどれくらい信頼していいものかがわからない(自分自身も品質保証はできないです)。就労可という医師の診断書を持っていったとしても、その会社で仕事を始めたら再発するかもしれないわけです。再発率は60%と言われています。再発したらその次の再発率は70%。その次は80%とどんどん高くなるというデータがあります。そうですよね。いつ来なくなってしまうかもしれないと思いながら仕事を任せるのは恐いと思います。本人はできるところまでやるつもりでいるのですけれど。うつの人をどのように扱ったらいいのか、雇用主は頭を悩ませています。手を打っているところもありますが、大半は扱い方の正解がわかるまで今のまま保留しておこうというのが現状ではないでしょうか。

本当に“パッタリ”来なくなるのか

雇用する側や仕事を一緒にする人にとって一番困るのは、ある日突然パッタリ来なくなること。いろんな意味で恐いですよね。常識では考えられません。出社しなければ扱いが不利になるだろうし、連絡がとれなければ益々出社しにくくなると想像できます。そんな不利益なことをなぜあの人はするのだろう。分からなくて不安ですよね。さらに彼(彼女)が任されていた仕事が自分に回ってきて負担が大きくなるかもしれません。今でも結構いっぱいいっぱいなのに...。残業しないといけなくなるかなぁ。

でも、もし彼(彼女)のことを知っている人なら気づいたかも知れません。最近表情が硬いとか、動作がゆっくりだとか、めちゃくちゃな集中力を発揮しているとか、夜遅くまでゲームやっているらしいとか。気づくというよりもっと曖昧な違和感といったほうが良いかもしれません。本人が自覚していればいいのですが、自身は調子いいと思っている場合もあります。それに本人は当然、周りも気づければそれは“パッタリ”ではなくなるのです。彼(彼女)のために、ではなく自分のために彼(彼女)の様子に関心を持つ。そんな習慣がつけば働きやすい職場になるのかも知れません。

自分の取り扱い説明書

私は就職活動をするにあたって自分の取り扱い説明書を作成しました。

注意サイン

手助けが必要なこと

助けを求めてばかりではお荷物になってしまいます。ですから自分はどういう性質を持っているのかを把握しておくことが相手の安心のために必要です。パッタリ来なくなるように見えるけど、実はそうではないんだよということを説明したのが一枚目。観察していてここに書いてある素振りが感じられたら「ぶっちゃけどうよ?」と聞いて欲しいと伝えておきます。そして実際に調子が悪いと訴えたらこうして欲しいということを予め伝えておきます(2枚目)。行動レベルでこうなる、こうして欲しいと基準を明快にしてあげることは、わからない人を安心させられる効果があると思います。理解してくれる経営者さんもいますし、それでもリスクは抱えたくないという方がいるのも現実でしょう。選考に落ちたからといって全て理由がうつだからとは限りません。その辺は通常の選考と同じと考えて、あとは縁があるところと出会うの待ちです。