うつ病患者の生活

うつ病と診断されて9年の42歳。休職や転職を繰り返して2015年はアルバイトとして社会復帰。そんな人はこんな生活をしてるよって日記です。認知行動療法、対人関係療法、週間活動・気分記録表、メンタル・フィジカルチェック、障害年金など取り組んでいることを記録しています。

うつ病と農業

8月から週に1日、農家におじゃまして農業のお手伝いをしています。雑草を抜いたり収穫したり種を植えたり。酷暑の中での作業なので毎回汗びっしょりになるのですが、終わると心身ともにスッキリします。私が通っている就労支援施設でお誘いがあって、毎日通って話し合いをしたり作業をしていても気付きが減ってきて何か退屈になってきたなぁと思っていた矢先のお誘いでした。今しかそういう体験はできないし、農業ってどんな仕事なんだろう、農家の人ってどんなこと考えてるんだろう、それがわかれば自分に合っていてもいなくても途中でやめちゃえばいいやって軽い気持ちで参加しました。

2ヶ月経ちますが、楽しく参加しています。どころか、今は農業のアルバイトを探しています。農業から気づいたことや魅力を書いてみたいと思います。

うつ病に農業がいい?

うつ病の予防に農業がいいと言われています。実際リワーク施設でもプログラムとして実施されているところもあります。農業をすることによって...

  • 日光を浴びることで心のバランスを整えるセロトニンが分泌される
  • 身体を動かすことで、体力の低下を防ぐことができる
  • 農業という共通の体験を通したコミュニケーションが取れる
  • 収穫という達成感が自己肯定感につながる

といったメリットがあると言われています。セロトニンがどうだとか書くとなんだか仰々しいですがあくまでやってみた結果こんなこと感じたよってことなので理屈っぽく考えても仕方がないと思います。収穫にいたらず途中で枯れてしまったり、病気になってしまったり、天候不順で育ちが悪かったり、虫に食べられてしまったり、予測できないことが色々起こります。それもまた楽しいんです(生業にしている人にとっては大変ですが)。思うように育ってなければ、どうしてだろう?って調べたり詳しい人に聞いたり、農家の人の知恵が新鮮で勉強になったり。やっぱりやるからには収穫したいですし、いいものを育てたいと思うのは自然です。また、思った通りに育たないって現実をみて、人間の小ささ、自然には勝てないという謙虚さみたいなものも感じました。

いちばんの収穫

1周間にたった1日しかも数時間ですが畑に通うだけですが、いちばん良かったなと思うのは、あの子どれぐらい大きくなったかな~?最近雨が多いけど元気なくしてないかな~?モグラに食べられてないかな~?とか気にするようになったということです。百草丸のような小さな小さな種を植え付けて、苗がでて、茎や葉っぱをどんどん伸ばしていく。ものすごい生命力を感じます。虫をみつけたら払ってあげたり、窮屈そうだったら土をほぐしてやったり。だんだん愛着がわいてきます。そしてそれが功奏して実をたくさんつけたら、良かったなぁと笑みがこぼれます。大きくても小さくても、形がよくてもそうでなくても、みんな可愛いです。出荷されていって美味しく食べてもらうんだよ~と娘を嫁に出す気分です(娘はいませんが)。植物を育てる過程で植物と対話する、実が収穫できたら、その実が行きつく人のことを想像する。植物を通して人とつながりができるということ、なんならその実が調理されるところ、人の口に入っていくところにも立ち会いたい。そんな風に気持ちが動くようになったことが一番の収穫です。

 

うちのかわいこちゃんたち

育てることに関心をもった私はアパート暮らしなため、野菜を育てる庭がありません。なので観葉植物を育てることにしました。今ではなんやかや30鉢ぐらいに増えました。朝起きたらどんなかな~と覗いてみて、家に帰ったら同じように成長を楽しみにしてます。以前にも観葉植物を育てようとしては1周間ぐらいで枯らしてしまい、を繰り返していた私ですが、今は結構順調に育っています。旅行で長期に家を空けても元気です。たぶんつながれるようになってきたんだと思います。今年こそは冬越しを目指します。