うつ病患者の生活

うつ病と診断されて9年の42歳。休職や転職を繰り返して2015年はアルバイトとして社会復帰。そんな人はこんな生活をしてるよって日記です。認知行動療法、対人関係療法、週間活動・気分記録表、メンタル・フィジカルチェック、障害年金など取り組んでいることを記録しています。

無限ループから脱出するには

うつの人の頭の中

うつになると、あることないことで頭がいっぱいになっているか、嫌なことや辛いことを一切感じないようにしてしまうか、二者択一になってしまいがちです。ことが良い方向に進んでいるときは想像力豊かといえますが、悪い方向にいくと「あの人は私のことを嫌っているかもしれない」、いや「嫌いに違いない」とか、「明日も調子悪かったらどうしよう」、いや「悪いに違いない。なぜなら...」と何が事実でなにが想像なのかこんがらがって徐々に気分が重くなっていき、そのうち身体にも変調が現れる(動けなくなる)。訓練していくと一時的に無視することができるようになりますが、ふとしたきっかけでそうした考えがループしてしまうことがあります。一度うつを発症してしまうと、ループする癖がついてしまうので、意識して脱出するようにしています。
※ちなみに、「何が事実でなにが想像なのか切り分ける」のは認知行動療法で訓練できます。

私が実践している無限ループからの脱出法  

瞑想(マインドフルネス)とか自律訓練法があります。瞑想は座禅とかヨガなんかで有名ですし、自律訓練法は一種の事故催眠術といわれているものです。詳しいやり方はネット上でもたくさん出ているので検索してみて下さい。ざっくりいうと「今ここに起きていることに意識を集中する(感じる)」ことです。例えば、お風呂に入りながら「明日のミーティングで何を発言しようか」とか、「明日出社したら朝一番に取引先に電話しなきゃ」とか「企画書の締め切りが明後日だから明日は...」とか考えるのではなくて、「お湯が温かいなぁ」とか「身体がほぐれるなぁ」とか今を感じることに意識を集中する、ということになります(マインド=心をフル=いっぱいにする)。日頃から考えることや想像を巡らすことで頭がいっぱいでいると自分が何をかんじているのか、自分の心の有り様を見失ってしまいます。時々心を意識してみることで理屈ではなく今自分が何を望んでいるのかを知ることができます。仮に感じているものがネガティブなものや不快なもの、一般的に不道徳とされるものだったとしても構いません。しっかりと認めてあげます。正しいかどうかどうかは行動で判断されることであって、心のなかに秘めておけば誰にもわからないことです。わからないことは非難されません。

※考えることが優れていて、感じるままに行動するのは下等だと教育されてきたので最初は抵抗もありますし、最初からはなかなか上手くいかないと思います。でも何度もチャレンジしていればできるようになります。完璧にできる必要も全然ありません。

応用

どうにか社会復帰を果たしても、今日は体調や気分が優れず出社したくないという日が必ずあります。「休んでしまおうか、ズルズルいかないように今日だけ、いや、一度休んだらこれまでやってきたことが水の泡になる。でもなぁ...」。そういうときはまず「行きたくない」と感じている自分を受け入れます。「そりゃ行きたくないよね。疲れもたまってるし、納期が近づいてきてみんなピリピリしてるし、上司と目が合ったら何か落ち度を指摘されそうな雰囲気だし」。それだけで少し気分が落ち着きます。そして、まず布団から出てみる。会社に行くかどうかは「布団から出たあとで判断してみよう」。出たら、顔を洗う。会社に行くかどうかは「顔を洗ったあとで判断しよう」。食事を摂る。会社に行くかどうかは「食事が終わったら判断しよう」。着替える。会社に行くかどうかは「着替えたあとで判断しよう。駅まで行く。会社に行くかどうかは「駅に着いたら判断しよう」。会社に着く。会社に行くかどうかは「席についたら判断しよう」。....それぞれの行動の間には「行きたくないよね。わかる」。という気持ちの確認をしながら、行動は気持ちとは別に並行しておこなっていくようにします。大切なことは気分を認めつつ行動してしまうこと。また、予測することを排除することです。「昨日ピリピリしていたから今日もピリピリしているに違いない」と想像しないことです。確かにその可能性はあるかもしれません。納期が迫ってきている状況だったらその可能性は高いでしょう。でも今日はピリピリしない可能性もゼロではありません。それは行ってみて自分の目で確かめないことにはわからないことです。その意味ではピリピリするかどうかは50/50です。いい日かもしれないし悪い日になるかもしれない。行ってみたところピリピリしていて気分が悪くなったなら、その時に帰るという決断をすればいいのです。そんなことを毎日繰り返しているうちに段々と自信がついてきました。