うつ病患者の生活

うつ病と診断されて9年の42歳。休職や転職を繰り返して2015年はアルバイトとして社会復帰。そんな人はこんな生活をしてるよって日記です。認知行動療法、対人関係療法、週間活動・気分記録表、メンタル・フィジカルチェック、障害年金など取り組んでいることを記録しています。

うつからの社会復帰を目指してアルバイトをしてみて感じたこと

昨年の11月から社会復帰の訓練としてアルバイトを始めました。1月末で契約満了になるまであと少し。そこでこの2ヶ月ちょいの間に感じたことをまとめておこうと思います。

どれくらい働いたか

体力的にもメンタル的にも不安がありましたし、何より職場というものにブランクが2年もあることが一番不安でしたので週2日だけ、それも4時間。初日は緊張して緊張して指先が冷たかった。集中してあっという間の4時間。終わっても終わった気がせず、頭が冴えたままでした。仕事のやりとりは普通にできたけど、休憩時間に雑談したりって余裕はなく、ただただ突っ走った1日でした。

意欲や体力は持続できたか

そこから2ヶ月。慣れてきたこともあるのと、アルバイトで任される仕事の上限も見えてきて、もっとやりたい気持ちと、このくらいでもう少し維持したほうがいいという気持ちと交錯しながらの日々を過ごしています。これならフルタイムもイケるかもという日もあれば、こんなんじゃフルは無理っていう日もあり。とくに午前中は不安定さが残ります。新しいことをやらせてもらえ、世界が広がってワクワクするような日もあれば、単調な作業を延々4時間やって「何やってんだろうオレ」って悶々とする日もある。でも誰かがやらなければならない必要な仕事であることは間違いなく、それをやらせてもらえることもありがたい、明日はワクワクすることに出会うかも知れない、と思い直して翌日も仕事に向かう。そんな感じ。

嫌な気分になるのはどんなときだったか

 11~12月は会社としても仕事がゆっくりと進んでおり、人も穏やかでした。みんな黙々と自分の作業をやっています。年が明けるとプロジェクトの締め切りが迫ってきて慌ただしくなってきました。何か不安要素を思いつくとあちらこちらでミーティングが始まります。自分に直接関係なくても緊張感が伝わってきて自分も根拠のわからない緊張をします。確認をするために営業さんに連絡をとったり、取引先に電話やメールをしますが、なかなかつかまりません。次第に不安が焦りになり、焦りが怒りに変化してきます。やっと連絡がとれてもすぐに解決できないことがあると返事を待つことになります。焦りに拍車がかかります。
「○○のおっさん(営業さんの名前)ではわかるわけないだろうな」、「☓☓(取引先担当者の名前)ではどうせ知らんだろう」。リーダーの口からそんな言葉が出てきます。

うわさ

これまでの経緯はわかりません。過去にどんなことがあったのかは知りません。依頼したことがこちらが期待するスピードで解決することが少ないのかも知れません。イライラしていればそんな言葉がつい浮かんでしまう気持ちも理解できます。それでも聞いていて気持ちのいい言葉ではありません。目が合ってしまったらどう応えていいかわかりません。聞こえないふりをするか、愛想のいい人なら苦笑してごまかすしかありません。
一緒に仕事をしていれば突発的なことも発生するでしょう。思うように進まないこともあるでしょう。その時の対応が人の評価になっているように思います。公の場で人の評価をたくさん口にしている人が苦手です。自分も「自分が居ないときにああいうふうに言われているのではないか」。朝、職場に行くのが憂鬱なのは職場が評価される場だと思っているからです。仕事ができるできないも含め、あらゆることが評価の対象になり、うわさ話のネタになる可能性があるから。
人間は自分を受け入れてもらいたいという願望を持っているものだと思います。良い評価をもらいたいと思い、悪い評価を受けたくないと願っています。自分に悪い評価が定着しないように他人の悪い評価を口に出して自分を維持する場合もあります。生贄を作っておけば自分のことに話が及ばないので一時は安心できます。これはイジメの問題と同じで人間が自分を受け入れてもらいたいと願っている以上避けては通れない道なのかも知れません。

学んだこと

 1週間や1ヶ月という先のことをあまり具体的に想像しないこと。目の前のことに集中すること。今日はどうしても気持ちが奮わない、休もうかと逡巡した日がありました。でも、まず食事を摂ってみて気持ちの変化を観察してみよう。食べたら、着替えてみて気持ちの変化を観察してみよう。着替えたら、駅まで行ってみよう。駅に着いてもまだ気持ちが悪ければ休んだらいいじゃないか。電車に乗ってみよう。...こんなふうに目の前のことを細切れにして一個ずつクリアしていったら結局仕事を終えていました。
人の悪口を言っている場に遭遇したら参加しない。席を外す。自分のやるべき仕事にだけ集中する。言ってる本人がいちばん不安で心細い思いをしているはずなのでそっとしておくが加担もしない。またその言葉を鵜呑みにしない。自分で判断できるまで保留しておく。