YouTube動画『ぼくのなかの黒い犬』をどんなふうに観たらよいか考えてみた
僕のなかの黒い犬
2012年の世界メンタルヘルスデーにあたり世界保健機構(WHO)がYouTubeに投稿した動画で、うつ病患者の見る世界を黒い犬で表現した"I Had a Black Dog"。うつ病を黒い犬に例え、うつ病になると世界がどう見えるか、そしてどうやって向き合っていけばいいのかを、ほのぼのしたイラストのスライドで分かりやすく説明しています。
すでにご覧になった方も多いと思います。私は昨年あたり観ましてなるほどねー、なかなかよくまとまってるかもという感想を持ちつつ忘れていました。YouTubeのお気に入りに登録してあって先日久しぶりに観たので改めてじっくり考えてみることにしました。
啓発ビデオであるけれど当事者としても回復までのヒントが散りばめられている
うつの人ってこんなふうに世界が見えているんだよっていうことを端的に表現したビデオとして評価されているのですが、何度か観ているうちに回復までのターニングポイントもちゃんと描かれていることに気づきました。
うつの気持ちと考え方
うつで苦しむ人は自分の感情を素直に認めることができにくくなっています。嫌だなぁと思っていても、そんなふうに感じるのは望ましくない。そんなふうに感じる自分は間違っていると言いくるめようとしています。
うつで苦しむ人は先のことを想像して心配してしまいます。悪い結果が起きた場合のことを思い浮かべて気が滅入っています。良い結果が起こる可能性だってあるじゃないかと言っても信じられません。
それが習慣になってしまって、感じること自体が難しくなります。抑うつとは憂鬱とかブルーな状態なのではなく、感じることそのものが麻痺したようになり、全てのことが自分とは別世界で起きています。
少し調子が良いときに、良いと言われていることを試してみるものの、順調にいかないため行動することよりしないでいることの方を選びます。行動しても気持ち良くないことを覚えてしまって何もしたくありません。ほらやっぱりいいことないじゃん。
ここから始めよう
まず人に助けを求めることです。※どんな人が助けになってくれるのかは改めて書きます。
何より回復への大切な一歩は、自分の感情を聞くこと。そして一旦認めること。他人の力を借りて自分の本心に気づく練習が必要です。できるかできないか、許されるか許されないかは置いといて、むき出しの本心です。認知行動療法という方法があります。
慣れないことをやるのですぐ疲れます。本心を口にするなんてたぶん幼いころ以来なので恥ずかしいし抵抗感があります。疲れたまま続けるとストレスがたまり行動することが嫌になります。嫌だ疲れたと伝えてゆっくり休みましょう。嫌だから、疲れたから休むなんて大人げないと思うでしょうが、始めはそれでいいんです。うまい断り方は後から覚えていきましょう。