これが認知行動療法だ
認知が気分や行動を変える
私達は普段なにも意識せずに会話したり行動していますが、全く同じ状況があっても人によって反応が違うことがありますよね。そういうのを「性格が違う」と表現します。兄弟姉妹で同じ家庭環境に育っても違ってくる。生まれた順番によっても違ってくる。ではその“違い”はどこから生まれるのか。
人はある状況に遭遇したとき、それに対してある気分が湧き起こったり、体が反応します。そして行動します。その流れを描いたのが下の図です。
違っているのはピンクの部分から先です。うつになってしまった人はこの部分を修正してやることによってだいぶ心が楽になります。その方法が認知行動療法と呼ばれるものです。
心が弱いのか?
①自分に厳しく、相手を立て、社会規範や常識を守ります。親戚付き合いも親の面倒も子どもの面倒もしっかりみます。仕事も納得いくまでやります。こんな人物像を思い浮かべてみて下さい。優秀だと思いませんか?自分の子どもや部下がこんな人だったら誇りでしょう。
多くの健康に暮らしている人は、たぶんもうちょっと手を抜いて生きています。
②自分に甘く、わがままで、こっそり社会規範を破り、子育てや介護にも適当に手を抜く。仕事もボチボチ。
さて、どちらが心が弱いんでしょうか?
一般に、うつになる人は心が弱い人だと思われています。でも、私が就労支援センターで会う人は①の人が多いです。人一倍自分を律し、他人の期待に応えようとし、あるとき自分のキャパシティを超えてしまった。そして「私はダメな人間だ…」と落ち込む。これはどう考えても心は弱くないですよね?心が強いがゆえに、たまたま暴風に真正面から立ちむかって折れてしまっただけです。あくまで私個人の感想ですが、うつを患ってしまった人と何人も会っていると、仕事が激務とか職場環境が悪くてという形で発症していても、それらは引き金だったと思います。仕事が原因であったとしても職に就く以前に何かしら自分を厳しく型にはめるような心の傾向が土壌にあったんじゃないかと感じます。
ラクをしよう
非常にざっくり言うと、認知行動療法とは「もっとラクする方法」です。あるいは「ラクしたっていいんだぜ」と思えるようになるための訓練。目指すのは柳腰です。というわけで次回は具体的な内容を書きます。